29(承前)

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 そのとき耳元でクニの声がした。  振りむくと半透明の3Dホログラフのクニが、ジャングルの上空に浮かんでいる。 「まだ20分近くあるんだろ。おれにも独立軍の派手な作戦見せてくれよ。おーい、みんなもきたらどうだ?」  クニの呼びかけとほぼ同時に、ジャクヤも夜のジャングルの高さ130メートルに出現した。高層ビルなら40階近い高度だった。ジャクヤは夜空のうえを歩きながら地上を見おろした。 「肉体なんて不便なものだな」  視線の先には生身の肉体で、この作戦に参加するジャン・ピエールの雲山改があった。 「こうしていくらでも、どんな場所にも存在できる。まるで戦場の神みたいやないか。おーい、マルミちゃんもきたらどうや」
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