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そのとき空中に浮きあがったばかりの戦闘ヘリコプターに、ミサイルが着弾した。爆発的に火球が発生し、ヘリパッドが円形に真昼のように照らしだされる。
マルミが漏らした。
「怖いというか、きれいというか。あのタイプの戦闘ヘリの搭乗員は3人だから、あの火の球のなかで3つの命が消えてなくなったんだね。わたしたちは訓練もシミュレーションでもなく、ほんとうの戦場にいるんだね」
3Dホログラフで再現されたマルミのメガネに、燃えあがる戦闘ヘリの残骸が映しだされていた。目がうっすらと赤いのは、泣いているのか目の前の戦場に興奮しているのか。
「わたしは機体に戻って、攻撃情報を再確認します。うちのチームにあんなことが絶対おきないように」
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