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涼一君に聞いた道筋を歩いて、私はオススメの古着屋さんを目指した。
信号のところを左折ね…
私はそのまま左折して真っ直ぐ歩いていった。
小さな商店がわりと並んでいるが、この向こうに古着屋さんがあるのだろう。
なんかちょっとワクワクしてきた。
ふと正面横にストリートミュージシャンを見かけた。
ギターのチューニングをしている。
だが、歩いて自然に近ずくにつれ、私はハッとし、本気で驚愕した。
それは、元彼の悠一だったから。
私は売れないインディーズミュージシャンの悠一のファンだった。
いつもライブを観に行っているうちに、ライブ終わりに喋るようになり、自然と付き合うようになった。
でもバンドは中々芽が出ず、解散してしまった。
それでも悠一は他のバンドでギターを弾いていたが、私たちの仲が深まり、二人で結婚の話をし始めた頃、悠一はバンドをやめ、ミュージシャンを目指すのもやめてしまった。
私は、悠一がバンドやミュージシャンの夢を諦めることに反対した。
でも悠一は、長かった金髪の髪を切り、黒髪に戻して就職活動を始め、バイトから入った会社に就職した。
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