旧型アンドロイドと天才青年

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 響とて、自分が侮辱されたからではなく、青年が小馬鹿にされたとも感じられる物言いは腹立たしいし、青年が少しでも気分が晴れるのなら好きなだけ反論させてやりたいとも思う。  しかし。 「今日の体調は問題なしだけど、だからと言ってあんまりはしゃぐと夜に響くし。発作が起きる危険性も上がるから、まだまだ言い足りないのかもしれないけど、此の辺で、ね?」 「……分かったよ」  ちぇ、なんて拗ねた様な舌打ち1つ、渋々と言わんばかりに頷いた青年は、顔立ちの幼さもあって、まだ10代前半の子供にさえ見える。実際、まだ10代後半あたりなので、大人とも言えない年頃ではあるが。  少なくとも「天才少年」「天才青年」の名をほしいままにしてきた人間と言われて、世間がイメージする姿とは異なっているだろう。  だが、そんな姿を見せていたのも僅かな間で、視線を響から乱入者に移す頃にはすっかり冷たささえ感じさせる、大人な顔立ちに戻っていた。未だ双眸は怒りで静かに燃えている。 「響のお陰で助かったな。とにかく、オレは響以外に面倒を見てもらうつもりはない。何度言えば分かるんだよ。用件が其れなら、もうとっとと帰ってくれ」  それでも口調だけは丁寧に言って、青年は、しっしっと手を振る。     
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