報われない努力の行く末に、、、。

2/7
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
夜もきっと10時をこえた。 あまりの寒さに、拾われなかった僕以外の他の2匹は体力を奪われると鳴くのをやめていた。 僕は努力をやめなかった。 声が枯れるまで何時間も鳴いていた。 寒さで体力が奪われても。 努力は報われると信じて。 【キキー!】 「なに?捨てられたの?」 ダンボールを覗いてきたのは自転車に乗った若いOLさんだった。 …やった。 …僕が1番鳴いてるの見てる。 OLさんが来たのがわかった瞬間、僕の兄弟猫もニャーニャーと必死に鳴いていた。 …ずるい! …僕はずっと人を呼ぶために鳴いていたのに。 「3匹も無理よ。1匹なら」 そう連れていかれたのは僕の兄弟1匹。 鳴く努力を放棄した、弟の1匹だった。 …なんで? …僕は鳴いていたのに。 …努力してたよ。 …みんな居なくなる、、、。 ダンボールには僕と僕の弟1匹が残った。 また人がいなくなると僕の弟は鳴くのをやめた。 頭に雪が少しずつ積もる。 僕は許せなくて、弟と喧嘩をした。 …努力しないで助かろうなんて、ずるい! 力だけは僕はあるみたいで、圧倒的に僕が引っかき、僕は弟に怪我をさせ、お互いダンボールの角と角でそれ以降近寄る事は無かった。 あいつは相変わらず鳴く事をやめ、うずくまり体力を温存している感じだった。     
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!