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学校の前まで着いて、私は妖精さんを新雪の上に降ろします。
妖精さんは悲しそうな表情を浮かべながら、私に手を振ってくれました。
私も少し悲しくなり、手を振り返して校内に入りました。
教室に入るとクラスメイトに昨日の事を心配されます。
クラスメイトに妖精さんの事を話したが誰も信じてはくれず、私はその日以来不思議な子と思われる様になりました。
授業が終わり、学校を出ると校門の横で妖精さんが待っていました。
私はクラスメイトにさよならを言い、妖精さんを手に乗せます。
「待っていてくれたの? 一緒に遊ぶ?」
妖精さんは私の手の上で体いっぱい使って、遊ぼうと言っている様な仕草をします。
「森に行くと心配されるから、公園に行こ!」
私の住んでいた街は、冬になると公園に柵が張られスケートリンクが作られます。
だけど、ほとんどがアイスホッケーをする男子達に占領されてしまいます。
だから私と妖精さんは、出来るだけ踏み荒らされていない辺りで追いかけっこをして遊びました。
日が暮れると、妖精さんにお別れをして家に戻ります。
朝は妖精さんと一緒に登校し、帰りは妖精さんと遊ぶ。そんな毎日を私は繰り返しました。
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