雪の妖精さん

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 一度妖精さんを家の中に招待しようと試みましたが、妖精さんは温かい所が苦手なのか、家の中には入って来ませんでした。  猛吹雪の日は外に出る事が出来ません。  ある日、私が寂しく独り部屋で勉強をしていると、氷がびっしりと張った窓を叩く音が聞こえました。  窓から外を覗き込むと、大量に増えた妖精さんが、窓一面に張り付いていました。  流石に私は、腰を抜かす程驚き叫び声を上げます。  増えた妖精さん達は、驚く私をみてお腹を抱える様に笑っていました。  やがて、春が来て雪が解けていきます。  何時も私を迎える様に玄関で待ち構えている妖精さんは、段々と姿を現さなくなりました。 「あの子は、雪の妖精さんだったのかも知れない」  雪の降り始めと共に姿を現し、雪の終わりと共に去って行った妖精さんを、私は雪の妖精だと思う事にしました。  雪の妖精さんが去ったからと言って寂しくなる事は無く、別の妖精さんが次々と私に集まる様になりました。    妖精さん達に囲まれて成長し、高校を卒業した私は、東京の大学に合格し上京しました。  私の所に集まって来た妖精さん達は、上京しても着いてきてくれました。  おかげで、上京や初めての一人暮らしは、少しも寂しさを感じる事が有りませんでした。  何時も賑やかに、そして可愛く私の周りを飛び跳ねている妖精さん達。  一人暮らしの生活は、妖精さん達によって支えられ、疲れた時には癒しを与えてくれます。  多分、私は世界一の幸せ者なのだろう。  私と妖精さん達の暮らしはこれからも続いて行きます。   
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