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でも私は、このまま妖精さんに任せて、家事の出来ない女になって良いのでしょうか?
いや、良くない!
ある休日の朝、私は決心してお掃除の妖精さんに言いました。
「私が掃除するよ。妖精さん達はたまには休んでて」
お掃除の妖精さん達は、つぶらな瞳に涙をいっぱいに浮かべて、私を見つめます。
うわっ。泣きそうになってる。何故だろう、この凄い罪悪感。
取らないよ。あなた達の役割を取ったりしないからね。
「あのね、私が将来掃除が出来ない女になったら困るでしょ? だから私も掃除するよ」
お掃除の妖精さん達は、首を傾げます。
そして、三人が円陣を組み、何やら話を始めました。
やがて、話し合いが終わった様で、代表の一人が前に出ると、とても良い笑顔でサムズアップし、掃除を始めました。
うん? 何やら、伝わってない気がする!
私はもう一度、問い返します。
「たまには私も掃除するけど、良いよね?」
妖精さん達は、可愛い手を胸の前で交差しバツを作ります。
「いや、何でよ。あなた達の役割を取ったりしないよ」
妖精さんは首を傾げてから、ジェスチャーを交え口をパクパク動かしました。
はい。伝わりました。何故だかはっきり理解しました。
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