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質問を命令で返しながらダッシュボードを指差す姉。
渋々私がそこから消臭剤を取り出して脇や胸元に吹きかけるのを確認すると、
彼女は電子タバコを吸い始めた。
高卒でハタチ、自称潔癖症の姉はいま市街地にあるパチンコ屋で働いていて、タバコとギャンブルを覚え、そこのチャラいアルバイトと付き合っている。
「アンタも顔に胡坐かいてないで、そろそろそういう事にも気を遣わないとさ。こんど化粧教えてあげるね」
バックミラーでつけまつげをバシバシいわせながら姉は私の顔の事をよく言う。
私は市街地の県立高校に通っていてバレー部に所属している。
スポーツ推薦で入った私だけど、たしかに男子張りに練習着に汗が干上がって塩の湖が出来る毎日を最近になって恥ずかしく思い始めてはいる。
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