第4章 流星が消えるまで

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一睡もできずに朝になり、午前中にお経をあげて貰ってお昼には荼毘に伏された。 骨と灰になった二人分の骨拾いは、晴馬と燿馬が頑張ってくれて。 四角い箱になった二人を抱いて、私は家に帰ってきた。 お爺ちゃんの家は改築してまだ新しいし、畑もある。 この場所に、私は何かを始めても良いような、そんな気持ちになった。 そうだ。 子供達に自給自足と収穫体験をさせられるんじゃないかな。 いきなり二人の主を失った家の仏壇を晴馬と燿馬が力を合わせて運び出して、 我が家の和室に設置しなおして。 真新しい位牌が二つ。 お祖母ちゃんとお父さんの位牌のそれぞれの隣に並べてあげた。 夫婦が二組そろう。 今頃、天国で再会を喜び合っているだろうか? 「夏鈴。食べれるなら何か食べた方が良い。 お前が食べられるものなら、なんでも作ってやるよ?」 晴馬はうんと優しく私を励まし続けてくれる。 いつか、晴馬も私より早く旅立つのかと思うと堪らなく不安になってしまう。 胸が痛くて苦しくなって、私は晴馬に抱き着いた。 死に別れることは、どうしようもなく寂しい。 同じ世界にもういない人達を想うと、取り残されたという心細さが押し寄せてくる。 「一人にしないで…」 絞り出した声に反応した晴馬が、私にキスをしてゆっくりと押し倒してきた。 怖くて。 だけど、逃げられない。 こんなに辛いのに、避けようがない。 しがみつくように晴馬を求めた。
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