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「それ、そんなに違わないじゃない」
「それが全然違うんだよ。
俺なりに調べてるんだから、
俺の事は俺に任せておけばいいんだよ。
それより、お前を一人で東京には行かせたくないって親父は絶対反対しそうだよな?」
燿馬が私の顔を見て、そう訴えてきた。
ウフフ…。
「案外、行きたければ行きなさいって言うんじゃないかしら?
だって、夏鈴が絶対に晴馬君を説得しちゃうでしょう?」
「そうだよ。ママはパパを手のひらで転がしちゃうんだから。
ママさえ味方になってくれたら、鬼に金棒だよ」
「…ですよね…?」と、燿馬が少し拗ねたようにつぶやいた。
あらら。晴馬君がひき止めるって算段でもしてたのかしら?
「大丈夫よ。2人とも、あなた達の才能は素晴らしい。
きっと思い描いた通りの未来を引き寄せられるわ。
自分を信じて頑張るのよ?」
「うん。わかってるよ。ありがとう、美鈴ちゃん」
「みっちゃん、ありがとう」
2人の可愛い孫にお礼を言われて、私はとても嬉しくなっていた。
「何があっても自分が信じた道を簡単に諦めないでね」
燿馬と恵鈴は声をそろえて「はい」と返事をしてくれた。
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