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やっぱり理に助けを求めれば良かった。
両親は無理でも理なら分かってくれたかもしれない。
でも。
「ずっと山脇さんを見張りにつけておく気? 2年も?」
祐介の脅しは隙だらけだし、現実味がない。
「山脇は実務では役立たずだから丁度いいんだ。それに、こんな生活を続けていれば梓も慣れてくる」
「え?」
「元々社会に適応するタイプでも無かったろ?この限られた空間の方が居心地良くなってくるさ、お前はそういう暗い女だよ」
どこまでも私を侮辱し続ける夫。
「山脇や梓のやっていた事なんて、他の誰でも俺でも出来る」
本当に、目の前の花瓶を頭に打ち付けてやりたい衝動にかられた。
ーその時。
「はい、もしもし?」
祐介の電話が鳴った。
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