第四話 身代わりの恋

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「不倫議員の奥さんがお帰りだ!」 男ばかりで(ひる)みそうになったけれど、汚れた門塀を見たら黙ってはいられなかった。 「これは軽犯罪ですよ!」 服部さんを睨む。 「は?!税金を不正に使った癖に何ぬかしてんだ?!」 すると、 「……キャッ!?」 突如、まだ仕舞っていない下半身を私に向けて笑い出した。 「旦那が弁護士だからって偉そうにすんな! こんなんで検挙されるかよ!」 私を見る男達の間に、異様な空気が生まれていた。 誰も服部の暴言を咎めようとはしない。 「旦那に相手にされない奥さんだから見たかったんだろう?!」 それどころか、一緒にからかい始める始末。 「俺が相手してやろうか?!」 調子に乗って、私の肩を掴む服部から逃げようとした時だった。 カシャ! また嫌なシャッター音が背後から聞こえた。 「それ、公然猥褻罪」
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