一人旅

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旅先で、 親切に声をかけてくれた地元のオバサンに、 言われて見上げると、 屋根に雪が積もっている! 南関東の3倍の厚み!? 滴り落ちる雫。 木の枝から、 ざざざっ!! と、雪が落ちた!! 思わず飛び退いた!! 「屋根の雪に、 埋もれちまうと、 春まで見づからねぇ~がら、 屋根がら離れて歩けよ~!!」 春まで埋もれる!? 確かに……。 周りに人が居ない!! たまたま寄った土産物店の このオバサンしか居ない!! 雪道をヨチヨチ歩きで、 たった一人で、 やって来たよそ者が、 見るからに危なっかしいから、 店を出たばかりの私に、 声をかけてくれたのだろう!! オバサンが見ていない所で、 屋根の雪が、 落ちて来たりしたら、 私は、誰にも知られずに生き埋めになってしまう! 幸い車は全然来ない。 狭い歩道から、 車道に移った。 「滅多に車こねぇ~がら、 車道が良い!! たまに来(くっ)がら、 気をづけるんだョ!!」 「ありがとうございますっ!!」 遠く、 小さく見えるオバサンに、 振りかえって、 ペコリと頭を下げた。
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