IFを越えては

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IFを越えては

彼の名前はない。ただ『俺』とだけ名乗っている。 赤色とコーヒーが好きな彼はいわゆるIF(イマジナリーフレンド)である。 彼の役目はただ一つ、 身体の主導権を握る少女、佐藤 優樹乃(以下ユキノ)の負の感情を全て引き受けることである。 ユキノは小中学校にていじめにあった事があり、それが原因で負の感情を感じる事を拒んでいた。 そのために小学校で負の感情を妄想に逃がし、中学校で、ユキノが没頭した漫画をもとに『俺』を作り上げていた。 そうして作られた『俺』は、なにかユキノの心が反応するような事があった際に身体の操作権をもらい、負の感情を引き受けては夢の中で彼女と話す日々を送っていた。 しかし、ユキノに平穏なんて訪れない。 ユキノはそのIFと交代をすると同時に性格が変わるその奇特さに中学の時になったオタクな性格が起因して、またいじめにあうことになってしまった。 いつものように『俺』は身体を借りて彼女の身代わりになろうとした。 が、ユキノはいつにも増して弱々しい声で呟いた。 「今回はわたしが頑張るよ」 と。 以下ストーリーの全容です。
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