●花の意味●

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私と瞳は、一次会で彼女たちと別れる。 『彼女達』は、私と瞳に手を振り、男の子達に 「次はどこへいく?」 と、笑顔で相談を持ちかける。 それは、いつもの、暗黙の了解だった。 そして、振り落とされた男の子もバイバイされる。 『彼女達』との利害関係は、完全に一致していたはず・・だった。 が、今回は違っていた。 バス停で、瞳と二人で立っていると、彼女達全員が狙っていた男の子が、私に「帰るなら、送るよ」と言ってきたのだ。 見なくても、『彼女達』がどんな恐ろしい顔をしているのかわかる。 私は苦笑しながら、 「ごめんなさい、行くところがあるから」 と、断った。 「じゃ、連絡先教えて貰っても・・・いいかな?」 相手は、少しおずおずと、小声で言った。 私は、少しだけ笑顔を作って 「ごめんなさい」 と、小さく手を振った。 「そうか・・」 相手は、残念そうに、先で待っている集団の方へ走っていった。 「もてるのは辛いね」 瞳が、私の気持ちを知ってか知らずか、ふふっと小さく笑いかけながら言った。 「真澄達が怖いな・・」 「大丈夫、二次会では、もう別の人と仲良くなってるかもよ」 瞳は優しい。 「そう願うわ」 もし、今日出会った、あの女性に、もう一度会えたとして、さっきの男性みたいに、軽くあんな風にアプローチ出来るだろうか? 『出会い』はあった。 だけど、そこから先の事は、夜の闇のようだ。 私に、ヘッドライトはあるだろうか?
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