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雨
「マジか… ロシア人にしか見えなかったがアイツ
ウクライナ人だったのかよ…」
スキンヘッドの男は急いでゴミ屋敷に戻りナターシャを引っ張り出てきた
「20万ルーブルだ。早く払え」
スキンヘッドの男は震えた手で金を要求してきた
「どうぞ。こんなので妹が買えるのなら安いものよ」
アレンシアは金を差し出してナターシャを受け取った
ナターシャの顔は殴り跡で腫れ上がっていた
「ナターシャ様。大丈夫ですか?」
アレンシアが聞くと
「大丈夫よ。わ、私を見くびらないで」
ナターシャは感謝の言葉も無く私から立ち去ろうとした
「ナターシャ様。もう帰られるのですか?感謝の言葉もないのですか?」
アレンシアがからかうと
「あ、ありがとうなんだけど。あとさっきはごめんなさい。言い過ぎたわ」
ナターシャは顔を真っ赤にしながら言った
「よく言えました。ナターシャ様も少し大人になられましたね」
アレンシアが少し笑いながら言うと
「こ、これからもよかったら一緒に遊んでほしいんだけど!アレンシアといっぱい遊びたいんだけど!」
ナターシャが大声で言うと
「はい。よろしくお願いします」
アレンシアは目から大量の涙を流した
「アレン?なんで泣いてるの」
ナターシャが聞くと
「雨が降り始めただけですよ」
アレンシアはそう言って歩き出した
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