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「うーん……今のところ実害はないから放っておいてるんだけど」
「何言ってるんだ、害があってからじゃ遅いだろう!?」
須王は眉を顰め、櫻子を心配そうに見遣る。
相手からの文面があまりにも一方的で、こちらのことなど全く考えていないというところに危険を感じた。
「……これ、立派に実害だし」
「え?」
そう言った悠馬に全員の視線が向く。
悠馬は肩を竦めて、櫻子のスマホのチャット画面をどんどんと遡っていった。
「お前、まだ大学入ってから三ヶ月かそこらだろ? なのに、もう一ヵ月以上もほぼ毎日メッセージが送られてきてる。これってヤバイだろ」
「……そんなこと言ったって」
「しかも、お前既読スルーしてんのにお構いなしかよ。これじゃ、ストーカーと変わらない」
「……」
薄々自分でも感じていたことを言われ、櫻子は口を噤む。
もしかしたらそうではないかと思いつつも、認めることが怖かった。認めた途端に入江が恐怖の対象となってしまう。
そう言うと、「アホか」と悠馬に一蹴された。
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