ナチュラル (01)

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「うーん……今のところ実害はないから放っておいてるんだけど」 「何言ってるんだ、害があってからじゃ遅いだろう!?」  須王は眉を顰め、櫻子を心配そうに見遣る。  相手からの文面があまりにも一方的で、こちらのことなど全く考えていないというところに危険を感じた。 「……これ、立派に実害だし」 「え?」  そう言った悠馬に全員の視線が向く。  悠馬は肩を竦めて、櫻子のスマホのチャット画面をどんどんと遡っていった。 「お前、まだ大学入ってから三ヶ月かそこらだろ? なのに、もう一ヵ月以上もほぼ毎日メッセージが送られてきてる。これってヤバイだろ」 「……そんなこと言ったって」 「しかも、お前既読スルーしてんのにお構いなしかよ。これじゃ、ストーカーと変わらない」 「……」  薄々自分でも感じていたことを言われ、櫻子は口を噤む。  もしかしたらそうではないかと思いつつも、認めることが怖かった。認めた途端に入江が恐怖の対象となってしまう。  そう言うと、「アホか」と悠馬に一蹴された。
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