ナチュラル (4.5) ~再会~

6/39
前へ
/404ページ
次へ
「そりゃ……ちょっとは」 「私が教えたってことは内緒ね」 「うん、内緒」 「うわー、気の毒だな、悠馬。こんなところで過去をバラされて」 「貴司も内緒だからね!」 「気の毒すぎて言えるか!」  声をあげて笑いながら、藍李はハァと息をつき、改めて櫻子を見つめた。 「たぶん、想いの強さなんだろうな」 「え……?」 「これまでの子は、皆向こうからだったの。ほら、面倒見いいところがあるから、モテるのはモテるんだよね。でも、悠馬自身はちょっと好きってくらいで……というか、友達の延長みたいな感じだったんだろうね、今思うと」  何となくわかる、と思った。  面倒見がよくて頼りがいがあるから、近くにいる女の子はほぼ皆、悠馬を好きになったんじゃないか。加えて、本人は全く意識していなかったと思うが、あらゆる危険から守ってくれるナイトみたいなところもあるから、お姫様願望の強い子なんかはきっとイチコロだったろう。  まぁこれは、シスコン故なのだが。
/404ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1524人が本棚に入れています
本棚に追加