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「ねぇ、櫻子、悠馬君とはどうなってるの?」
真理子が目をキラキラさせて尋ねてくる。少し遠慮がちだが、神城の方の両親も同様の反応だ。
櫻子の頬はほんのりと赤く染まり、恥ずかしさで一瞬顔を俯けるが、神城の両親にはきちんと挨拶をしたいと思っていたので、すぐに顔を上げ、二人の顔を真っ直ぐと見つめながら答えた。
「メールやメッセージでいつもお互いの近況を話していて、楽しかったし、すごく心強かったです。時々電話もくれました。とても……大切にしてもらっています」
「……あの悠馬が!? 連絡無精でいつも藍李に怒られてたのよ。その悠馬がねぇ」
神城家の母・由美も驚きで目を丸くしている。藍李が「ビックリでしょ?」と言うと、「変われば変わるものねぇ」と頷いていた。
「それにしても、櫻子さんみたいな綺麗なお嬢さんの相手がうちの悠馬でホントにいいんですか?」
と神城家の父・悟が言うと、真理子は「とんでもない!」と即座に反応する。
「むしろ、悠馬君みたいな素敵な人の相手が櫻子でいいのかしらって」
「お、お母さん!」
「それに、交際前にきちんと挨拶に来てくれるなんて、本当にビックリして……とても嬉しかったんですよ」
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