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「私、パス」
「えぇ~~っ! 男性陣は櫻子目当てで来る人もいるんだよ?」
「……ダシに使ってるよね? 真奈美」
「えへへ……」
照れ笑いで誤魔化す真奈美の様子に、櫻子は肩を竦めて呆れる。
真奈美は根は悪い人間ではないが、損得勘定で動くところがある。
櫻子が来るとなると、かなりレベルの高い男が揃う。それを狙っているのだ。
男のレベルがどんなに高かろうが、何故か櫻子はなびかない。それはこれまで数回行われた合コンで実証済みだ。となると、櫻子を餌にしない手はない。
そんな真奈美の魂胆が読めるからこそ、櫻子はウンザリしていた。
初めこそ喜び勇んで参加したが、期待とはかけ離れたものだったので、もう参加しようとは思わない。
同じくダシに使われているであろう絵理華も、顔の前で両手を合わせてぺこりと頭を下げた。
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