1章 荒野に佇む

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どれくらい歩いたのか全く分からなかったけれど、ムカつくほど照りつける太陽に汗は止まらなかった。そして、水は底をつきかけていた。 「あっ……」 一瞬遠くに湖のようなものが見えた気がした。こんな荒地というよりも、砂漠に近い場所に湖があるのだろうか。 蜃気楼でそんなものが見えるのか、とうとう頭がおかしくなっているのか、それとも死にかけているのか…… 僕は答えを出す前に、湖があると思われる方へくらくらする頭を抑えながら歩き始めた。
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