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凛の章Ⅰ「レストランでは秘密の話をする」
湊人さんとは、十九時にレストランでもう一度会う約束をしで別れた。
お互い一人で乗船しているとは言え、なんて面倒見のいい人なんだろう。
搭乗券を拾ってあげたらいきなり泣き出して、荷物まで持たされたっていうのに、私のことを心配してくれるなんて。
二等船室に入ってみると、思ったよりずっと広い部屋だった。
雑魚寝と言っても一応の区切りはあるようで、ストライプ柄のマットレスが一枚ずつ敷かれている。枕とキルトケットもある。
壁側にはマットレスの幅に合わせたついたてがあり、上部にはハンガーがかけられるように、パイプが二本通っている。
「どこにしよう……」
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