1人が本棚に入れています
本棚に追加
視界の横では、エリンが失神してるサクラの手当てをしていた。
ありがとう、エリンさすがはおっとりだけに回復はみてるだけでも癒される。
「なんで、雪だるまさんは溶けるのを分かってこたつの中に入ってきたんですか」
正直寒いんですけどと言うと傷つくと思うので言わなかった。
ウンウンとネコネもあいずちをうつ。
すると、雪だるまさんはちょっと寂しげにいうのであった。
「ちょっと寂しかったんですよ私」
えっそうなのというか、ここに来てしゃべってるじてんで驚いてるけどねファンタジー凄いね。
「羨ましかったのかもしれませんね、だっていつも、雪だるまって外でみんなの輪に入れないから」
寂しげな表情でいう様は本当のようだった。
「だからここに来たと?」
そう聞くと、はいと返事をするのであった。
そして、迷惑をかけてしまったのかとばかりに立ち去ろうとする。
「すみませんね、迷惑かけてしまって、驚かせたりしてしまって、こたつの中もぐちょぐちょになってしまって、もう、帰ります、すいませんでした。」
その背中は寂しさを物語っていた。
一応、自覚はあったのね、ひき止めようか、でも、雪は雪だるまの世界がある。
ここは―
「雪だるまさん待つでござる!」
その声の主はさっきまで失神していたサクラだった。
復活してよかったね。
すると、恥ずかしそうにサクラは自分の思いを吐露するのであった。
「私も武人たるものはと子供の頃から武士道を学んでいて、今回も甘えてはいけないと外で我慢していたのですよ」
それ、忍耐じゃね、と言ったらこの空気をぶち壊してしまう。
恐れがあるため言えないというか、死んでますね。
「でも、時には甘えてもいいと思うのでござる。だって……」
そして、俺の方を見て、爽やかな笑顔を雪だるまに向けて言うのであった。
というか、何故俺の方を向いた。
そして、後方からは、それまで寝ていた方たちからオーラを感じるのですが。
そんなことは構いなしにサクラは続ける。
辞めてくれ―勘違いされてないか―俺は
「だから、雪だるまさんも甘えてもいいと思うんですよ」
「ほっ本当にいいんですか!?」
雪だるまの顔がパァと明るくなった気がする。
それとは逆に俺の顔は暗くなっていく。
めんどくさくなってきたな。
最初のコメントを投稿しよう!