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それから俺は少し眠っていたようだ。
気がつくと車の窓から見える景色が、普段とは違う、長閑な物に変わっていた。
「A太、起きたか?もう少しだぞ」
Uが俺が起きたことに気がついて声をかけてきた。
俺が寝てる間もずっと車を運転していたようで、少し声が疲れているような気がする。
一度自販機で飲み物を買うために休憩したが、それでも10分程したらまた走り始めた。
Uが言った通り、しばらくして山の中にある寺に着いた。
Uはわざわざ、後部座席のドアを開けて、俺に肩を貸してくれ中に入る。
でも、境内と呼んでいいのかわからないが、敷地内に入っても、お寺の中まではまだ遠い…
「あっ、Uちゃん。どうしたの?
お友達、大丈夫?
あらあら!大変!すぐお部屋を用意してもらうわ」
事情を知らないおばさんが声をかけてきて、お寺の人を呼びに行った。
歩いてるのがツラい。立ってるのがツラい。
それでもゆっくり歩いて、やっと建物の中に入る事が出来、安心からか、ふらふらとその場に倒れ込んだ。
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