どこにでもいる

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「Fは知らないけれど、G……知ってます。 俺、そいつに箱を見ないかって誘われたから…… 結局、事情を聞く前に死んでしまったんだけれど……」 「なっ、なんだって!?」 宮司さんは半分立ち上がり、大声を出した。 だけど、俺がGに言われたのは呪いの箱だと思う。呪いを弱めるお札の箱ではない。 「でも、Gの近所に捨ててあった箱は呪いの箱で、呪いを弱めるお札の箱はその時は見ませんでした。 Gのウチへ行った時もそんな箱は見なかったし」 もし、仮にそのお札の箱もGが持っていたとしたら呪いの箱だけでなく、その箱も捨てただろうと思う。 かなり怖がっていたから。 宮司さんは俺をしばらく見ていたけれど、ゆっくりとその場に座り直した。 「じゃあ、Fという子が持っているかも知れないですね」 Wさんがそう発言すると、みんながそうかも知れない言う感じで首を縦に振る。 FというヤツはGの友達関係なハズ。 だけどGは死んだ。 ……Gの携帯にFの連絡先が登録されていないだろうか? 「ねぇ、A太くん。Gくんのご両親に連絡を取って、Fくんの連絡先がGくんの携帯にないか調べる事は出来ないかしら?」 Wさんは俺と同じ事を考えていたらしい。 でも。 「それが、俺、携帯にはGの携帯番号しか登録してなくて」 「そうなんだ。残念ね。何か…他に方法はないかしら」
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