第5章 友情よりも愛情

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その心配が、現実になる時がきた。 週末。 絹花が、連絡も無しに我が家に、やってきたのだ。 「ちょっといい?」 「……いいけど?」 不機嫌な絹花を見て、直感的にまた、間野さんとケンカでもしたのかと思った。 でも、今までそんな事で、うちに来た事ないしな。 しかも絹花は、私よりも先にリビングに入り、ソファの真ん中に陣取った。 「ねえ、久実。私に何か隠し事してない?」 私は目をパチクリさせた。 「急になに?」 勿論、思い当たる節はない。 ううん。 ちらっと、ほんのちらっとだけ、間野さんの事が頭を横切ったけれど、間野さんがわざわざ『お前の親友に、告白された。』って言うはずがない。 しかも、振られてから1週間経ち、私の気持ちも大部落ち着いてきた頃だった。 「とぼけないで。」 「だから、なに?」 「裕一の事よ。」 少しだけ、息が止まった。 「先輩の事?」
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