第4章 正直な話

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「迷惑だって言うのは、分かってます!絹花に悪い事してるって言うのも。だけど!もう抑えきれないんです!」 「あ、あのな。斎藤……」 間野さんの手が、私の腕を掴む。 顔を上げたら、間野さんの赤く染まった、困った顔が目に飛び込んできた。 「……好きなんです。先輩の事が……」 そのまま、時間が止まった。 間野さんは、何も言わず困った顔をしていて。 私も何も言わずに、泣きそうな顔で、間野さんを見続けた。 ふいに誰かが、私達の横を通りすぎた。 それをきっかけに、間野さんは私の腕から、手を離す。 「なんだか最近。毎週のように、斎藤を自宅までタクシーで送ってるような気がするな。」 「えっ?」 「俺、こんなに頑張ってる奴、見るの初めて。」 「先……輩……」 嬉しくて涙が溢れた。 ドジばっかりで、心配ばかりかけて。 間野さんに誉めて貰えるような事、何一つしていないけれど。
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