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しかも、他の部門は1万冊とか売れてるのに、レディコミだけ、1100冊。
それで先月のトップとか言われても、返って恥ずかしい。
「先月トップって、すごいな。新人なのに。」
間野さんが、声を掛けてくれた。
あくまで、いつも通りに。
「トップって言っても、他に部門と桁が違いますから。」
「気にすんな。トップはトップ。新人で先月の売り上げを上回るって、すごい事なんだぞ。」
間野さんは何気なく、私の背中を軽く叩いた。
優しい言葉に、ボディタッチ。
振られた後の方が、優しいのは皮肉なものだ。
逆に、振ってしまった事へのお詫び?
席が隣同士で、ギクシャクしたくないから?
まさか。
いや、間野さんだったら、考えなくもない。
「斎藤?聞いてるか?」
「えっ?」
その途端に、間野さんと目が合う。
「あ、はい。」
返事をしても、目を反らさない間野さんは、明らかに告白する前とは違う。
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