第5章 友情よりも愛情

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しかも、他の部門は1万冊とか売れてるのに、レディコミだけ、1100冊。 それで先月のトップとか言われても、返って恥ずかしい。 「先月トップって、すごいな。新人なのに。」 間野さんが、声を掛けてくれた。 あくまで、いつも通りに。 「トップって言っても、他に部門と桁が違いますから。」 「気にすんな。トップはトップ。新人で先月の売り上げを上回るって、すごい事なんだぞ。」 間野さんは何気なく、私の背中を軽く叩いた。 優しい言葉に、ボディタッチ。 振られた後の方が、優しいのは皮肉なものだ。 逆に、振ってしまった事へのお詫び? 席が隣同士で、ギクシャクしたくないから? まさか。 いや、間野さんだったら、考えなくもない。 「斎藤?聞いてるか?」 「えっ?」 その途端に、間野さんと目が合う。 「あ、はい。」 返事をしても、目を反らさない間野さんは、明らかに告白する前とは違う。
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