第5章 友情よりも愛情

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「これからが大切だぞ。来月は1100冊以上売らないと、100%は超えないんだからな。」 「はい……」 「気のない返事だな。本当に分かってるのか?」 「はい……」 間野さんは、またもや気のない返事をする私に、拍子抜けしてるみたいだけど、私だってそうだ。 てっきり、嫌われてると思ってたのに。 私の事、避けるんじゃないかって、思ってたのに。 「そうだな。5,000冊も売れるようになれば、担当がもう一人くらい、つくようになるんじゃないか?」 「頑張ります。」 私には、そんな力ないけれど、間野さんの期待には応えたい。 って私、先週と変わらないじゃん。 振られても、まだ間野さんの事、諦めきれないって事ですか。 「あのな、斎藤。」 間野さんが、私に顔を近づけた時だ。 「間野。少し、来てくれ。」 部長が間野さんを呼んだ。 「はい。」 私の心拍数を上げるだけ上げといて、間野さんは部長の元へ行ってしまった。
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