第5章 友情よりも愛情

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ダメだ。 私はすかさず、休憩室へ行く。 タダのコーヒーを、2杯のみ。 大きく深呼吸をした。 落ち着け、私。 「お疲れさまです。」 突然横から、白石さんが手を伸ばした。 「あっ、ごめんなさい。」 コーヒーのある場所を占領していた私は、直ぐに一歩下がった。 「そう言えば斎藤さん。今月の売り上げよかったんですよね。」 「ああ……いや、あれは……よかったと言うか、なんと言うか……」 とても、“はい。有り難うございます。”とは、言えない。 「さすが、間野先輩が教えていただけの事は、ありますよね。」 「そう……ですね。先輩には感謝しないと。」 私がもう一度コーヒーを注いで、席に戻ろうとした時だ。 「そう言えば、間野先輩は大丈夫なのかな。」 「えっ?」 白石さんが、カウンターに身体を寄せて、棚と壁の隙間を覗いている。 「何してるんですか?」 「シーッ。」
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