74人が本棚に入れています
本棚に追加
白石さんは、私に手招きをした。
何だろうと思いつつ、白石さんの側に行く。
そして、白石さんが覗いていた、棚と壁の間を見てみる。
そこには驚く事に、部長の背中があって、注意を受けている間野さんの姿も、少しだけ見えた。
「知らなかった?この棚、部長の席の真後ろなんだよ。コーヒー飲んでる時、たまに部長の独り言とか、聞こえてきたりするんだ。」
「へえ~。」
新たな発見。
「その代わり、部長の悪口をここで言うと、本人に筒抜けになっちゃうから、気を付けて。」
「はい。」
白石さん。
役に立つ情報を、有り難う。
そして改めて、白石さんは隙間から、間野さんを観察している。
「あの。そんなに、先輩の事気になります?」
「そりゃあ、気になるよ。」
白石さんは、当たり前だろ?と言わんばかり。
「コンビ組んでるとさ。相手の機嫌次第で、仕事がはかどったり、支障をきたしたりするんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!