第二章 『空っぽの中に』

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「こっちに来ないで!」  血の気の引いた顔のまま、大声を出され、そこで歩み寄るのをやめる。 「……いより」 「もう私に、関わらないで。……帰って」 「……そっか、うん、分かったよ」  責められて当然の俺は、いよりの言葉に従う他なく、休憩室を後にする。  幸いいよりの鋭い声を聞いている者はいなようだが、あのいよりの拒絶の仕方には俺も一瞬硬直した。  恐ろしい物をでも見たかのようないよりの表情が、頭の中で再度思い出された。
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