第一章 『私の日常』

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 転勤の希望なしだったが、いくつかの面接と筆記試験を経て、こんな私でも何とか採用を頂いた。入社後二年間、今は毎日ホールのスタッフとして、Mレストランで働いている。  幸い、駿ちゃんとは別れて一度もバッタリ会うことなく、会わないのがすっかり当たり前だった。ここには何千人、何万人と人がいるから、偶然などほぼほぼあり得ない。  朝、私は出勤準備を終えると、車で自宅から最寄りの駅まで。そこから電車で一時間離れたC街へ向かう。  いつも通勤ラッシュの電車に乗るため、沢山の人が車両に乗ってる。座れても大体立って、扉の端で過ぎ行く景色を眺めていた。
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