第一章 『私の日常』

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第一章 『私の日常』

幸いより(ゆきいより)~  “美野田いより”から“幸いより”に苗字が戻って二年が経つ。  最初は、離婚して実家に戻った事実が、恥ずかしくてたまらなかった。式に参列してくれた地元の友達に、ご近所さん。もう離婚したんだ、さすがに早すぎない? と思われている気がして、家から出るのも躊躇ったのだ。    しかし、いつまでも甘ったれたニートでいられない。ちゃんと働かないと、暮らせない。  私は知り合いとほぼ会いにくいであろう、地元から一時間離れた、人口の多い都市、C街で就職活動を頑張って、レストランを経営する全国規模の会社に再就職をした。
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