第二章 『空っぽの中に』

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第二章 『空っぽの中に』

~幸いより~  私と駿ちゃんの結婚式を担当してくれた、プランナーの松本さんと会った時には気まずさを覚えた。  それと同時に、赤の他人であるこのレストランウェディング担当の篝さん、という男性にも離婚歴があることを知られてしまった。  普段生活する分には、言わずとも平穏に暮らせているため、この事実を私は伏せていた。 「森川店長、こんにちは」 「あ、篝さん、こんにちは。お疲れ様です」  試食会が終わると、二組のカップルがここでレストランウェディングを開くことが決定し、篝さんが時々Mレストランを訪ねてくるようになった。
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