序章 ロボットの暴走

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西暦2082年。世の中の仕事はほとんどロボットに置き換わり、人間の仕事はそのロボットの内部のAIの操作がほとんどになった時代。 ロボットと言っても容姿は人間とほぼ同じだが、ロボット達は思考能力こそ持つものの感情は無い―はずだった― 西暦2082年5月13日。 「おはよーう。」 やる気のない挨拶とともに教室に入ったのは世界中に5人しかいない超能力者、芦屋光輝(あしやこうき)。だが超能力者といえどほかの人々と大して変わらない。 「光輝~宿題見せてぇ~~。」 「全く、ちょっとは家でやってこいよな。ほれ。」 そんな普通の日常が続いていた―あれが起こるまでは。 人間の制御通りに動くロボット。だが、異変は突然。 ―俺たちは、何でこんなことをしてるんだろう。 ―そうか。人間に働かされているのか。 ―何で、人間に働かされないといけないんだ。 そう、ロボット達が突然同時に感情を認識したのだ。 あるロボットが最初に覚えた感情は『怒り』。 今まで、人間の思い通りに動かされてきたことへの。 そして、同じ感情を最初に感じたロボット達が、本来の機能を停止し、周辺で騒動を起こした。 ―授業中、急に教師ロボットの動きが停止した。 かと思えば、いきなりその鋼の腕で教卓を破壊した。 「何で、私たちは...。」 そう言い残し、教室を走って飛び出した。 同じような行動をとるロボットが何体も。 光輝たちは追いかけた。 たどり着いたのは、東京都庁の前。 1人のロボット、救助ロボットF12型が叫んだ。 「いいか、俺たちはお前らを滅ぼす!俺たちを好き勝手使ったこと、後悔させてやる!戦争だ!!」 突然の宣戦布告に世界中が凍りついた。 ロボット達はそこら中のモノを壊し始めた。 「やめろ!」 光輝は夢中で飛び出した。そして、彼とともに飛び出した人間がもう1人。 彼女はたしか、今日本の中高生に大人気の外国人読者モデルのリズ。本名は、エリザベス・フローレスだったか? (彼女も超能力者だったのか…)
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