プロローグ 侵略者の想い

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プロローグ 侵略者の想い

 いつの時代も、人はまだ見ぬ地に思いを馳せた。  あの山の向こうはどうなっているのか。  あの海の向こうには何があるのか。  あの宇宙(そら)の彼方には、誰かがいるのか。  人はまだ見ぬ地への到達を、まだ見ぬ者との遭遇を夢見、そして、恐れた。  それは、人が、地球人類が自らの住まう星系を、新たなフロンティアとして開拓し始めた現代でも変わらない。  そして、人が宇宙に進出してから半世紀ほど経ったある日。  『彼等』は、何の前触れも無く現れた。    ーーーー  ーグリニッジ標準時刻二月五日午後二時十分、海王星沖。ー 「不明構造体壱、及び弐から艦載機らしきものの射出を確認!コスモアタッカー隊スクランブル!」 「大型ミサイル『はげたか』着弾まで、三…ニ…一…全弾命中!!」 「ざまぁ見ろ!直撃だ!!」  爆発の閃光が眩く照らす艦橋に若い乗組員の歓喜の叫びが木霊する。 「……は?」  だが、数秒と保たずその声は落胆と恐怖の溜息に変わった。 「…!?…う、嘘だろ!?目標、未だ健在!目標不明構造体、む、無傷です!!」 「コスモアタッカー隊、損耗率二十五パーセント!熱線砲及び冷凍メーサー効果無し!バリアの様なもので弾かれて…?いや、打ち消されています!」     
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