9 結婚式とアカチャンと

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熊野がポツリと呟いたトコロで、他にも、招待客が次々と列をなしているのに気づく。 新郎新婦がそちらの対応に追われ始めたので、秋人達は席に戻った。 それからも何かと慌ただしく、そのまま短い新婚旅行へ向かう2人とは、ゆっくりと話す時間のないまま、セレモニーは終了し___ 終わり際、その “ありきたりな一言” を、秋人はやっと告げることができた。 「熊野、幸せにな」 「ったりめーだ」 秋人が肩を軽く叩けば、倍の力で背中を“バン”と叩き返す熊野。 その、少し窮屈そうなタキシードの後ろ姿を、秋人はどこか感傷的な気分で見送った。 …痛ってえな。 ま、別に、奴とはこれきりってわけじゃない。 これからも、仕事でちょくちょくやり合うことにはなるんだろうけどな……
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