9 結婚式とアカチャンと

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その夜___ 「眠ったか?」 「ハイ。愛想振り撒きすぎて、疲れちゃったみたいですね」 「綺麗なお姉さんが沢山いたからな」 「マッタク」 ホテル側がわざわざ用意してくれたベビーベッドの中で、スヤスヤと眠っている冬喜(ボウズ)。 燈子は、そのピンク色の頬をプイプイとつつきながら、愛しげに寝顔を眺めている。 ……チャンスだ。 後ろからそっと肩を抱き、 「…燈子」 熱っぽく耳元に囁くと、彼女はピクッと肩を震わせた。 「秋人さん」 甘い響き。 こちらを向かせ、思う様に口付けると、浅い息の下で小さく呻く。 “ダメ”と口では言いながら、俺の身体を引き寄せたのを、彼女のオッケーサインと心得た。 ナイトウェアのボタンをもったいぶりながら外し、羞恥を煽りつつ襟元を寛げる。 白い首元に唇を這わすと、彼女は、ボウズを意識して遠慮がちに鳴いた。 微かに甘い香りが漂う。 「ベッド…行くか?」 「う、うん」 ソワソワしながら、ボウズを起こさないようにそっと2人で移動する。 「燈子…」 「秋人サン…」   彼女をベッドに組み敷く。 唇の重なる5ミリ前。  
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