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その夜___
「眠ったか?」
「ハイ。愛想振り撒きすぎて、疲れちゃったみたいですね」
「綺麗なお姉さんが沢山いたからな」
「マッタク」
ホテル側がわざわざ用意してくれたベビーベッドの中で、スヤスヤと眠っている冬喜。
燈子は、そのピンク色の頬をプイプイとつつきながら、愛しげに寝顔を眺めている。
……チャンスだ。
後ろからそっと肩を抱き、
「…燈子」
熱っぽく耳元に囁くと、彼女はピクッと肩を震わせた。
「秋人さん」
甘い響き。
こちらを向かせ、思う様に口付けると、浅い息の下で小さく呻く。
“ダメ”と口では言いながら、俺の身体を引き寄せたのを、彼女のオッケーサインと心得た。
ナイトウェアのボタンをもったいぶりながら外し、羞恥を煽りつつ襟元を寛げる。
白い首元に唇を這わすと、彼女は、ボウズを意識して遠慮がちに鳴いた。
微かに甘い香りが漂う。
「ベッド…行くか?」
「う、うん」
ソワソワしながら、ボウズを起こさないようにそっと2人で移動する。
「燈子…」
「秋人サン…」
彼女をベッドに組み敷く。
唇の重なる5ミリ前。
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