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3 女王、板倉愛水
さて、ここで少し時を遡る。
大神秋人と熊野吾朗が、某外資系ホテルのビア・ホールにて旧交を暖めていた頃___
その15階上のダブル・ルームでは、一組の男女終焉ドラマが繰り広げられていた。
「そそ、そんな…
それって、どういうコト?僕は君と一緒になるためにずっと準備を進めて来たのに」
ベッドサイドに腰かけ、形の良い長い脚を綺麗に組んだ女は、美しく描かれた眉を少しだけしかめた。
「はぁ?意味分かんない」
「た、頼むよ。妻には離婚届にハンコも押させたし、今更もう後戻りは出来ないんだ。君を愛してるんだ、誰よりも。
だから…んぅっ!」
女は心底面倒だという様子で立ち上がり、縋ろうとする男の股間を蹴りあげた。
「私、別にそんなこと一度だって頼んだ覚え、ありませんケド?ねえ、ヤマモト課長…補・佐?」
女は両手と尻を床につけ、驚愕の顔つきで凝視する男を、冷めた目つきで見下ろした。
「き、君のせいだ…
君さえ現れなければ…こんな事には…」
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