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2 ふたりのセカイ
……ダダダダダッ
玄関を開けると、薄暗い廊下の奥から、猛突進する小さな影。
「アッキトさ~~~ん♪」
それはピタリと目の前で立ち止まると “アレ?” と戸惑いを見せる。
オッケー、予測の範囲内だ。
お約束どおり、俺でなく熊野の方へ飛び付こうとする奥さんを、サッと割り入って抱き止めた。
いつものように、胸にスリスリ頬擦りしてくる彼女の顔を両手で挟み、甘い調子で嗜める。
「コラコラ、走っちゃダメだって。いつも言ってるだろ?コケでもしたらどうするんだ、オマエともどもガキがヘシャゲて…」
「大丈夫ですよぉ、そんな簡単に…ん~っ」
抱き上げてから口づける。
3度目くらいの息継ぎの時、不意に後ろから声がした。
「あの、お取り込み中スイマセンが…」
「オヤ?」
2人でくるりと振り返ると、途方に暮れる熊野の姿。
「あ、悪い」
「く、熊野サン!?」
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