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「チョコをもらえりゃ、ラッキーだろ?」
バレンタインデーに悩みのないヤツの暴言。
ただでさえ憎たらしい一言に加えて、
例年のバレンタイン災厄が俺の腸を煮えたぎらせる。
「……本当に……そう思うか?」
辛うじて怒りをぶつけるのは抑えられたものの、
ぷいとそっぽを向いた俺の口からでた言葉は、
語気が強くなっていた。
「何怒ってんだよ、康介。」
不思議そうな隆一の問いかけをよそに、
苛立ちをあらわにした俺は、
「……別に。」
とだけ残して、昇降口を後にした。
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