3人が本棚に入れています
本棚に追加
ーー翌朝。
登校する俺の足取りはとても重い。
例年通りなら、詰め込まれるのは下校時で、
まだ登校時は大丈夫なはず。
しかし、すでに昨日フライングがあったのだ。
安心できる状況ではなかった。
昇降口に入ると、自分の下駄箱の前にかがみ込み
深呼吸をする。
ーーどうか、チョコが詰め込まれていませんように。
俺は自分の扉に手をかけると、目を閉じて意を決するように下駄箱を開けた。
そして恐る恐る目を開けて中を覗く。
幸い、開けた瞬間にチョコが飛び出すようなことはなく、
俺はほっと胸をなでおろした。
ーーま、戦いは放課後だよな。
ところが、下駄箱から上履きを取り出すと
その中を何かがコロコロと転がった。
「二粒……。」
今朝、下駄箱に入っていたチョコは二粒だった。
最初のコメントを投稿しよう!