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「私にあげるはずだった特別をあげてどうするんですか!私はあなたの、あなたの変わりにされる特別はいただけません!」
私は泣き叫んでいた。
「だったら…私にしかくれないあなたの特別を下さい…。」
…待って私今めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってない?チョコの人も顔真っ赤なんですけど!?
「あの!今の!無しで!!」
いたたまれなくてその場から逃げ出そうとしたが、チョコの人に腕を捕まれて逃げれなかった。
「えと、僕、それ本気にしてもいいんでしょうか…」
え、何チョコの人気変わるの早くない?さっきまで好きな人いたよね?
「僕このチョコ渡すはずだった人ちゃんと割りきってますよ!?ですからあからさまに疑う顔やめてください!」
思ったより顔に出てたらしい。これは申し訳ない。
まあ、でも…
「本気にしてくれて、いいです…。私はあなたの特別がほしいです。」
チョコの人はやっぱり綺麗に笑ってもちろん、と答えた。
もちろんこの一連の流れをたくさんの通行人に見られていたのは言うまでもない。チョコの人はまぁまぁ、と宥めてくれたがしばらく恥ずかしすぎて顔が上げれなかった。
後日、チョコの人はまた閉店間際にやって来た。でも今度は迷うことなくチョコを選んだ。私だけの、特別をくれるために。
―――私の恋はご利用ですか?
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