5人が本棚に入れています
本棚に追加
08:51a.m.
よく晴れた朝。
「あー、いい天気だ」
地上十二階の窓辺に立ち、隊長は目を細めた。
「今日はごろ寝日和だな。帰っていいか」
「誰もいいなんて言いませんよ」
ニクラウスはじと目で隊長を見つめ、
「おれだってそうしたいくらいです」
「じゃあ、ふたり帰るか」
「いいんスか」
嬉々とした男ふたりの様子に、ニキータが口を開く。
「じゃあ、バカンスついでに固形ガス田の警備行く? そろそろ交代時期よね」
「やだ。あれは三セク隊の仕事」
「じゃあ、自分の仕事して。警護依頼人だわ」
ニキータの深く澄んだ青い目は、管理部から届いたメールをチェックしていた。
「ウチにか」
「ええ、管理部から直に」
出力した書類をファイルに挟んで立ち上がり、渋い顔の隊長の胸に預ける。
「――巡回警備車両の荷台に忍び込んでたそうよ」
最初のコメントを投稿しよう!