起点

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08:51a.m. よく晴れた朝。 「あー、いい天気だ」 地上十二階の窓辺に立ち、隊長は目を細めた。 「今日はごろ寝日和だな。帰っていいか」 「誰もいいなんて言いませんよ」 ニクラウスはじと目で隊長を見つめ、 「おれだってそうしたいくらいです」 「じゃあ、ふたり帰るか」 「いいんスか」 嬉々とした男ふたりの様子に、ニキータが口を開く。 「じゃあ、バカンスついでに固形ガス田の警備行く? そろそろ交代時期よね」 「やだ。あれは三セク隊の仕事」 「じゃあ、自分の仕事して。警護依頼人だわ」 ニキータの深く澄んだ青い目は、管理部から届いたメールをチェックしていた。 「ウチにか」 「ええ、管理部から直に」 出力した書類をファイルに挟んで立ち上がり、渋い顔の隊長の胸に預ける。 「――巡回警備車両の荷台に忍び込んでたそうよ」
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