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「新規の飛び込みは歓迎するが、方法がなー。何かしらありそうだ」
書類をざっと読んで閉じた隊長の瞳がオフィスを一巡し、
「ニコル、それから新人。聴取と立ち会い頼む」
民間総合警備会社・RC社――リスクセグメント社のビルに文字通り乗り込んできたその青年は、見るからに怯えていた。
埃と土にまみれた灰色のフーディーとジーンズはあちこちが破れてほつれ、応接室に案内されて椅子に腰かけた今も、沈んだ水色の目は心許なさそうに落ち着きなくさ迷っている。
「はじめまして。お客さま相談係のニコルです」
青年の向かいに着いたニコルは卓上の端末を起動させて名乗り、柔らかく微笑んでみせた。
端末には、未明に地下駐車場で発見された直後の青年が応じた聴取内容が表示されている。
それでも改めて話を訊かねばならないのは、契約締結に至るかによるにせよ――警護を依頼された以上、青年は今や侵入者でなく来客だからだ。
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