拒否

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拒否

「許可できません。この剣は泉のものです。 他者の手に渡すというのでしたら力をもって阻止させていただきます。」 (勝手に売りにだしたらぶっ飛ばすぞ。ということか) 珍しく物騒なことをいいだした御魂を制して 「功はそんなことする奴じゃないから安心しろ。 あと、お前は絡繰りで人間よりずっと力が強いんだから、 間違っても暴力手なことをするんじゃないぞ。」 真剣に告げると、御魂は視線を泳がせて「ええ」 と小さく呟いた。 (危ない。本気で功に何かするつもりだったんだ) 確かに価値のある剣だろうが、御魂は普段金銭には執着しないから こんなに拒否感をだすことに驚いた。 「悪い、俺もちょっと突っ込みすぎたな、 お前のものなのに勝手なこと言ってわるかった。」 「功も謝ってくれたことだし、そろそろ飯にしようか。」 悪くなった空気を少しでも良くしようと、 俺は笑顔を作って二人に席に着くように促した。 そうして、少し遅くなった夕餉は 暖かいスープに、功の捕ってきてくれたエビの炒め物 令の淹れた暖かいお茶で穏やかに過ぎていった。
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