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「おはようございます、琴葉」
「おはようございます、清孝さん」
清孝さんを見るといつも安心します。
幼かった私をここまで育ててくれて、とても感謝しています。
私の敬語ぐせも清孝さんの影響ですね。
おかげで学校で私は変わった人らしいですし、
でも、それが面白いと言ってくれる友人がいるので良しとします。
「おい、ボーっとしてんな」
ふふっ、清流にも感謝してますよ。
「ん?あんま見つめんなよ」
「見つめてません!」
清流はいつもこの調子でからかっては笑っています。
「おはよう、琴葉お姉ちゃん」
「おはようございます、優樹」
私の弟は今日も可愛いです。それに…
「優樹、前髪跳ねてますよ」
「へへっ、ありがとう(照)」
ああ~、天使です!
でも、何で毎日同じところが跳ねてるんでしょう?
「このマセガキが」
「清流、優樹にそんなこと言わないでください!」
「何で俺が怒られるんだ」
当の本人は、したり顔で琴葉の腕にくっついている。
「ほらほら、朝ごはんが覚めてしまいます
それに優樹と琴葉は学校でしょう」
そう言われてみんなで座布団に座る。
朝ごはんはみんなで食べるのが宮司家の決まりだ。
ご飯を作るのは清孝と琴葉。
以前、優樹と清流も手伝おうとしたが台所が大惨事になり、
出来上がったものも食べられる状態ではなかったので、自然とそうなった。
「いただきます」
「このだし巻き卵、琴葉が作っただろ」
「何で分かるんですか?」
「お前の味がする」
「わー、意味深」
なぜか今ドキッとしました。
それに清流の目がいつもと違って、妖艶というか…
「ねぇー、なんでお味噌汁に南瓜入れたの?」
「好き嫌いは大きくなれませんよ」
「うわ、小さいの結構気にしてたのに…
清孝さんってたまにそういう意地悪するよね」
清孝は薄く笑みを浮かべている。
「あれ?優樹は南瓜嫌いなんですか?」
「だって甘いじゃん」
「そういえば、優樹って食の好みが渋いですよね、
実は中身がおじいさんだったりして!」
「…そんな訳ないでしょ、ほら早くないと学校遅刻しちゃうよ」
「わ、もうこんな時間!」
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