琴葉の日常

3/8
前へ
/31ページ
次へ
「おはよう琴葉」 「おはようございます里穂」 「ねえ今日の日本史の宿題やった? めっちゃ難しくない?」 「そうですか?簡単でしたよ」 「嘘だ!あ、もしかして例の彼に教えてもらった感じだ」 「はい、清流は歴史に詳しいので色々教えてくれるんです」 「いいなー、わたしも教えてほしい」 「ん~、視えないことには難しいですね」 「そっか、神様だったね、 琴葉の会話が自然すぎていつも忘れちゃう」 私の体質や敬語ぐせを理解して仲良くしてくれるこの子は、天川里穂(あまかわりほ)さんです。 里穂は、なかなかクラスに馴染めなかった私に気軽に話しかけてくれて、今はとても仲良しです。 入学当初、クラスメイトが話しかけるのもはばかられる程に 綺麗なオーラを出していたことを本人は知らない。 「あ、今日の1限体育じゃん、やったー!」 え、全然やったーじゃありません… 「そっか、琴葉は運動苦手だったね、 巫女の舞はあんなに上手なのになんで?」 「舞は清流が教えてくれましたし、踊っていると 無になれるというか心地いいんです」 「また清流さん…さては好きだな?」 「そんな!…違いますよ、たぶん」 そうですよ、好きは好きでも家族というか、 大事な人で、大切な人で離れたくない…ん? 「ほーら、置いてくよ」 「待ってください!」 気のせいですよね。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加